虫干しのすゝめ

新型コロナの脅威は、変わらずな日々ですがwithコロナで少し経済が回りだしているでしょうか。高野山は今、紅葉の真っ盛りで参拝に来られる方々も増えてきているように思います。

最近、空気が乾燥していませんか?こんな季節に是非「虫干し」を行っていただきたいです。虫干しとは、掛け軸や古い書物・着物などを収納場所から出し、風を通してあげることで、カビや虫から大切なものを守ってあげる作業です。

古くは、平安時代から行われているそうです。

ここでは、掛け軸の虫干しについて説明しますが、方法は簡単。

まず、天気の良い空気が乾燥している日を選び、風通しの良い部屋で掛け軸を吊るし広げます。このとき、風で掛け軸が揺さぶられるような場所は掛け軸を痛めるので避けましょう。また、日光の当たる場所は、変色を起こす可能性があるので避けます。

後は、一日掛けたまま、よく乾燥させてあげてください。このとき、納めていた桐箱も蓋をあけ、よく乾燥させてあげます。

夕方になると、湿度が上がってきますので、それまでに桐箱へ掛け軸を収納して終了です。これを何日か繰り返せば、よく乾燥しカビなどからの被害を減らせます。

屏風の場合も同じように、閉じてある屏風を広げ立て、風をよく通してあげるといいのですが古い屏風の場合、急激に乾燥が進むと紙番や表面が裂けてしまう可能性があるので、空気がよく乾燥しているときは、短時間だけ風を通すを何日か繰り返し徐々に乾燥させるのが、よいと思います。

昔から7月~8月の土用干し、10月~11月の虫干し、1月~2月の寒干しとあるそうですが、最近の7月8月は湿度が高いですし、1月2月も雪が積もっていれば湿度が上がりますので、雪が解け春が近い3月4月、そして10月11月の虫干しと年2回ほど、よく乾燥させてあげるのがよいと思います。

管理次第で掛け軸たちは、より長く何十年と形態を保ってくれますので、大切にしてやってください。

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