紅葉の高野山。展覧会開催です。

高野山は今、紅葉で色鮮やかです。

今週末から山内で伝統産業展・公募写真展が始まります。これは、高野町と地域おこし協力隊が主動のもと高野山のお膝元で発展してきた伝統産業に着目した単行本「お大師さまの息」出版に伴い開催される展覧会です。

伝統産業展&公募写真展

当店も参加します。そこで展示するものの中に「丸包丁」というものがあります。

丸包丁

丸包丁は名の通り丸い刃の包丁で古来より和紙や裂地を裁断するときに使われました。最近では、カッターナイフを代用する場合があります。この包丁が優れている点は、切る対象との抵抗が少ないことです。特に裂地を切る場合、抵抗が少ないおかげで断ち面がほつれにくく、より綺麗に切ることができます。

カッターナイフを使用する場合、出来るだけ刃の角度を小さくしても限度があります。よって丸包丁よりは抵抗が大きくなります。

カッターナイフ 角度

しかし、カッターナイフは切れ味が落ちると、すぐに刃を折って切れ味を戻すことができます。

丸包丁は刃の角度を極めて小さくできます。

しかし丸包丁の場合、刃の切れ味が落ちると研ぐ必要があるため切るものが多いときは複数の丸包丁を用意する必要があります。そして、刃が曲線なのでとても研ぎにくいです。

と一長一短ある裁断道具たちです。

昔の弟子見習いさんたちは、次の日に向けて何本もの丸包丁を研ぎ、次の日先輩方に「全然切れない包丁やな」と嫌味を言われたとか言われないとか。まぁ切れはしたのでしょうが更に上を目指すための愛の鞭なのでしょう。

展示会には、他の道具たちも展示します。また、掛け軸などの展示も行います。お時間ございましたらどうぞ、ご覧にお越し下さいませ。

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