やっちまいました。

この前、私用で漆を扱うことがありました。小麦粉と漆を混ぜると「麦漆」と呼ばれる接着剤になります。主に割れた器をつなぎ合わせることに使用され「金継ぎ」にも使われます。

私はその麦漆を使い、接着していたのですが漆の脅威を甘く見ていたのが良くありませんでした。漆といえば「かぶれる」で超有名です。もちろん私も知っていましたが、謎の自信で何の保護もなく素手で扱ったのです。接着中、指先10本に少し漆が付きましたが特に焦ることなくふき取って手を良く洗い、はいおしまいでした。

悲劇はその二日後...

左の手首をかわきりに顔・足・腹と全身に蕁麻疹が出て日に日にひどくなっていくのです。それに伴いかゆみが増していき、もうてんてこ舞い。

結局、約三週間かゆみに襲われました。

漆には「ウルシオール」という物質があり、これが原因のアレルギー反応で症状が出るそうです。過敏な人は山の中でウルシ科の木の傍を歩くだけで症状が出るそうですよ。

そんな漆も正しく使えば素晴らしい塗料になり、耐久性は抜群のものがあります。

漆塗りは表具の中で襖の縁や掛け軸の軸先に使われます。触れるとしっとりとしていて美しい質感を出してくれます。しかし、お値段はなかなかに張ります。

他にカシュー塗りというものがあります。これは食べるカシューナッツの殻から作られる塗料で漆には劣りますが、それでも優れた耐久性を持っています。また、塗装工程も漆に比べ簡単で、価格も控えめです。

話が逸れましたが、結論は「かぶれると言われているものはかぶれるので謎の自信を持たず用心して扱おう」ということです。身にしみて勉強になりました。

ちなみに一度かぶれると免疫ができ、次回は「かぶれない」か「軽症ですむ」そうです。例えそうであっても二度と御免なので次回から手袋必須ですけどね。

世界遺産の高野山で掛け軸などの製作修復なら当店へ ホームページはこちらをクリック 加勢田芳雲堂

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください