昔ながらの天然塗料

例年より遅めの梅雨明けをしたと思ったら猛暑で体がついていきません。昔の高野山は、気温30℃までいくと高野山にしては暑い方でしたが、今では余裕で超えてきて避暑地になりきれていないように思います。

梅雨明け目前に仮張りを修理しておりました。仮張りとは、表装に使う道具で襖のように木組みの下地に和紙を貼ったものです。これに裏打ちをした本紙や裂地を貼り付け、乾かします。

仮張りを使っていると時々仮張りが、めくれたり破れたりします。今回修理した仮張りは損傷が特にひどく、全体に新しく和紙を貼り、仮張りをリニューアルさせ、貼った和紙に防水加工を施しました。仮張りは、防水加工することで損傷を減らすことができ長持ちします。よく柿渋を塗ることが多いです。今回は、その柿渋を塗りました。

仮張りに新しい和紙を貼った様子

柿渋は、まだ青い渋柿の汁を熟成させて作る液体です。昔から、家具に塗る・衣服を染める等さまざまな使い方がされ、防水・防虫・防腐といった効果があります。しかし、柿渋は臭いがかなりきつく、周辺の皆様が苦情を出されるのでは?と思うレベルです。でも、最近は臭い成分を取り除いてくれた柿渋が売られており、苦情に怯えることなく安心して作業が行えます。

仮張り 柿渋

重ね塗りをした様子

柿渋は、重ね塗ることで強い被膜ができます。そして月日が経つほどに色に深みが出てくるそうです。また、よく日光に当てると変色が進むみたいです。この連日のピーカンに当てたおかげか、すでに色に変化が出てきているように思います。よく日に当たり強くなるんだよ。

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