桐箱を保護する外箱今昔【二重箱・畳箱】

五月の高野山、特に三年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークは参拝客の皆様で賑わってます。

今回は、桐箱を保護する箱について。桐箱は掛け軸を保護するためですが、その桐箱を保護するための「二重箱(にじゅうばこ)」というものがあります。

二重箱
二重箱

二重箱の形は上画像のようなもので一般的なサイズの掛け軸なら桐箱を横から差し込むように納めます。もっと大きな掛け軸になると二重箱の形が変わり、桐箱を二重箱の中に入れ、上から蓋を被せて収納する形になります。

桐箱は白木で出来ていますが二重箱は基本、漆などでタメ塗を施してあります。

さて掛け軸は、この二重箱へ桐箱と共に納め管理するのが、掛け軸を最も保護できる状態です。しかし最近は二重箱の代用として畳箱(たとうばこ)というものに桐箱を納めることが一般的です。畳箱はボール紙で出来ており桐箱を横から差し込み納めます。

畳箱 柿色
畳箱 柿色

このオレンジ色は、昔柿渋を塗っていたものを模した色です。この色の畳箱が一般的です。

畳箱 灰色
畳箱 灰色

この灰色の畳箱も何かの色を模しているのではと考えます。これは私見ですが松煙墨の色じゃないかと思います(柿渋によっては灰色っぽい色もあるので柿渋色か?)松煙墨には防虫効果があるので桐箱を虫害から保護してくれます。

この畳箱は表面に凸凹表現加工を施してあります。これは昔、畳箱に布を貼り、その上から柿渋などを塗布していた名残を表現しているのだそうです。

新しい桐箱を作った際は、その箱に合った畳箱が付きます。しかし古い桐箱には畳箱がない場合が多いです。その場合は、新規に作ってあげる必要があります。

刷毛引き紙
刷毛引き紙

畳箱作りに使う紙は鳥の子紙という厚めの紙に柿渋を刷毛で塗った「刷毛引き紙」を使います。この紙を桐箱に合わせて切り出し、畳箱にしていきます。

畳箱 展開図

畳箱製作にあたり、いろんな細かなポイントがあるのですが割愛させていただいて、桐箱ピッタリいい感じに畳箱が出来ると、茶筒の蓋のように桐箱がスゥーと納められます。その時の「やったぜ!」感はいいものです。ただ、この「やったぜ感」を味わうためにギリギリの寸法を攻めると桐箱が入らないという残念なことになり、刷毛引き紙が無駄になっちゃいます。達成感と失敗は紙一重なのです。

世界遺産の高野山で掛け軸などの製作修復なら当店へ ホームページはこちらをクリック 加勢田芳雲堂

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください