古糊の水換え

今年も古糊の水換えを行いました。一年経つのは早いです。古糊とは何ぞやという方は過去の投稿をご覧下さい。古糊作り~前編~

何の差なのか、それぞれの甕につくカビ達は三者三様で色んな色をしており、発生の仕方も様々です。環境は、あまり変わりがないので糊の炊き具合の差なのか、菌同士の生存競争に勝った猛者たちが繁栄したのか・・・

今回、一番気にしていたのは去年仕込んだ新しい糊です。一年経ってどのような変化が起きているか楽しみです。予想では、水面がカビでもう大変なことになっていると思われます。

さぁご対面!ってあれ?

 

 

 

 

古糊4まぁ予想外に綺麗なもんで。水面に少しだけカビが出ている程度です。ただ匂いは発酵しているような匂いはしております。一年目はこんなものなんですかね。

古糊5水を入れ替えました。見た目は、ほとんど変わりませんね。これから、どんな変化があるのか。また来年、顔を見るのが楽しみです。

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新年明けましておめでとうございます

如意宝珠

改めて、新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかな新年をお迎えのことと思います。

上の掛け軸は昔、京都の師匠のもとで作らせてもらったのですが、本紙は「如意宝珠(にょいほうじゅ)」をこれでもかと描かれたものです。

如意宝珠とは「仏教において願いを意のままにかなえる珠」とされています。これだけあれば夢かなえ放題です。

ところで、表具の裂地でもよく宝珠が描かれています。特に「宝尽くし」という紋様には必ずといっていいほどあります。宝尽くし

当店所有の裂地で宝尽くし紋様を写してみました。たくさんのお宝縁起物が描かれています。

打出の小槌これは打出の小槌です。昔話にも登場し、振ると願い事がかなうというものです。

 

 

金嚢これは金嚢といい、お金を入れる袋です。富の象徴です。

 

 

 

分銅これは分銅です。両替などに使われた分銅ですが、これも富の象徴です。

 

 

巻物 玉これは巻物と玉(ぎょく)と思われます。これも富の象徴でしょうか。

 

 

犀角これは犀角(さいかく)です。動物の犀(さい)のツノです。薬になるようです。

 

 

丁子犀角に似ていますが、これは丁子です。香辛料のクローブです。薬や香辛料に使われますが、昔は原産地が限られていたため珍重されたようです。

 

 

軍配これは軍配です。勝利の象徴でしょうか。

 

 

 

隠れ笠これは隠れ笠と思われます。被ると透明人間になれるというもの。

 

 

宝鑰これは宝鑰(ほうやく)といいます。宝物庫のカギです。

 

 

 

おおまかな、お宝の説明は以上です。わからないものもありましたが、富の象徴が多いですね。あとはドラえもんの道具みたいなものがチラホラ。宝尽くし紋様は必ず決まった組み合わせはないようで、違う組み合わせもありますし、違うお宝紋様もまだまだあります。表具関連以外でもよく使われる紋様なので、これは何、あれは何と探してみてはいかがでしょうか。

最後に、今年も表具 加勢田芳雲堂を何卒宜しくお願いいたします。

また皆様にとりまして幸多き一年となりますよう心からお祈り申し上げます。

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年季の入った障子に要注意!

師走となり今年も残すところ僅かとなりました。大掃除をしていく中で今年のうちに障子を張り替えようという方もいらっしゃるかと。

障子の張替えで、あまり語られないのが障子建具の角度です。これは特に年季の入った建具・建物(お寺さんや昔ながらの民家など)に言えることですが、経年で建物が傾いてきた場合、障子と柱の間に隙間ができます。

 

障子

 

 

また、建物に傾きがなくとも和紙をめくられた古い障子が傾く場合もあります。傾いた障子

これらの傾きによる隙間は、建具を一つひとつ調整しながら和紙を貼っていくことである程度、解消することができます。建具が傾くこと、建物が傾いていることに気づかずに和紙を貼った場合、最悪こんなことになるわけです。

 

傾いた障子2

障子の張替えといえども、侮れません。皆様お気をつけ下さい。

当店でも障子の張替えを承っております。が、年末になると依頼が増えますので早々に障子の張替え、ご依頼していただくとありがたいです。

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過去に私用で作ったもの その1

藍染掛け軸 金魚

3年前、衝動的に藍染体験をしたくなり、奈良大和郡山にある『箱本館「紺屋」』さんで体験させていただきました。その時のご縁でイベントに参加させてもらったときの掛け軸です。

参加者は2色の藍染された布をいただき、自由に作品を作り出品することになっておりました。

当店は2幅の掛け軸を作り、その一つがこちらになります。大和郡山は金魚が有名ですので、朱白の柄がある着物を切り取り、金魚に見立て掛け軸に組んであります。そして、金魚の目先に「かすり」の着物で波紋に見立てた細工をし、金魚が水面に落ちたものを見に行くような景色を作りました。そして、掛け軸の右下には金魚の様子を眺める何者かの姿が・・・

『箱本館「紺屋」』さんは事前に予約が必要ですが、手軽に藍染体験が出来、オリジナルの藍染作品を作れます。伝統ある染め物に触れてみてください。

『箱本館「紺屋」』さんサイト http://www.hakomoto.com

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金砂子細工を実施

今回、金箔をパラパラと散らした装飾「金砂子細工」を行う機会がありました。普段の修復では金砂子が活躍することはほぼありませんので、久しぶりに行いました。

画像で見えている竹筒に金箔を入れてパラパラと箔を散らしていきます。網目によって散らす箔の大きさが変わります。上部の竹製のピンセットは金箔を扱うときに使います。

金砂子細工では、まず膠を細工する場所に塗ります。

十分に塗った後、金箔を入れた竹筒を振り、箔を散らします。どの程度箔を散らすのか、よく見ながら振ります。その後、薄い和紙などを上に静かに敷き、抑えます。

一回目は、このくらいになりました。乾燥後、更に足す場合は同じ工程を行います。

二回目に箔色を少し変えて振りました。今回は、この程度で終わりました。

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屏風などの下地作り~蓑貼り~

骨子張り・胴貼りと下地作りをしてきたものに、蓑貼りを行いました。この作業の名前は仕上がった形が雨具の蓑に似ていることに由来します。

ちなみに皇室関連施設の襖には8枚や12枚も重なった蓑掛けがあります。

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屏風などの下地作り~骨子張り~

屏風や襖などの下地作りは、木で作られた枠【框(かまち)】と組子から成ります。そこに和紙を貼り重ね作ります。框と組子を合わせたものを「骨子」といいます。「骨」と呼ばれることもあります。

下地作りは大きく分け【骨子張り】⇒【胴貼り】⇒【蓑貼り】と工程が分かれます。今回は、最初の骨子張りを動画にしました。この作業で骨子が動くことがないように固定していきます。

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掛け軸の収め方

今回は掛け軸の収め方について。前回の投稿「太巻芯の使い方」後半で紐を巻く前まで載せました。

巻紐から上巻を保護する厚紙を掛け軸に巻きつけた後、下図のように紐を一周させます。一周させ、巻きつけた紐の横へずらします。

掛け軸紐の巻き方

次に紐を、もう一周させ半月(横に通っている半円の棒)の上で交差させます。

掛け軸紐の巻き方

さらに、もう一周させ同じように半月上で交差させます。その後、紐を下図のように折り曲げ、掛け紐に差し込みます。

掛け軸紐の巻き方掛け軸紐の巻き方

折り曲げた紐を下図のように通し完成です。後は桐箱に収めます。

掛け軸紐の巻き方掛け軸紐の巻き方

桐箱内に軸先を受ける軸枕があります。この枕は幅に差があり、幅が広いほうに掛け軸の半月がくるように収めます。掛け軸の収め方

桐箱内には「揉み紙」という和紙を敷いてあります。この紙によって軸先の保護や掛け軸の緩衝材、多少の湿気を吸ってくれる等の効果があります。是非、使用してください。

掛け軸の収め方

軸を収め、両端の揉み紙を折り込みます。後は、桐箱のふたを閉め完成です。箱のふたは仕様によっては、向きがあります。箱を開けたときに向きが変わらないよう注意してください。特に箱書きをしてある場合は、注意してください。掛け軸の収め方

以上で掛け軸の収め方はおしまいです。桐箱のふたはきっちり作られており開けにくい場合があります。開ける際、力任せにすると箱が破損する場合があります。ご注意ください。

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太巻芯の使い方

掛け軸において、本紙の岩絵具が分厚く塗られている場合や本紙の折れがひどいものは補修後、太巻芯を用いて太く巻き、絵具の剥離や本紙の折れ発生を予防します。

太巻芯

太巻芯は半分に割れます。中に軸棒を入れ挟み込み、その状態で巻いていきます。芯には挟む向きが決まっており、わずかに削られ低くなっているほうが掛け軸の表面にくるように挟みます。これは掛け軸の厚み分だけ削ってあり、一周巻いてきたときに段差が出来ないように工夫してあります。

太巻芯

この時、気をつけなければいけないのが軸棒と太巻芯との間に、隙間が出来ないようにしながら巻いていくことです。ここで隙間が出来ていると軸棒が中で動き、裂地が折れてきます。

太巻芯

太巻芯に巻きつけていきます。はじめからきつく巻きつけることはせずにゆったりと巻きます。ある程度、巻き取ると「矢筈(やはず)」を使い、掛け軸をおろします。紐を掛けている釘などに手が届く場合は矢筈を使用しないほうが安全です。矢筈

掛け軸をおろすと平らなところに寝かせ、ゆっくりと巻きを絞めていきます。軽い力で巻いていき少し抵抗があるところで止めます。必要以上にきつく巻くと掛け軸の両端が擦れ、劣化するだけでなく本紙にまで悪い影響がでます。

巻き終わると巻紐による擦れなどから守るための厚紙を挟みます。そして、厚紙を掛け軸にグルっと一周させ、中に差し込みます。もし、掛け軸に垂風帯がついている場合は、風帯の下にも厚紙を挟みます。(画像は筋割り風帯)

太巻きの納め方太巻きの納め方

太巻きの納め方

あとは巻紐を巻いていき、桐箱に収めて完了です。紐の巻き方は近日公開。

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古糊作り~後編~

古糊作り後半になります。今回は古糊作りの仕込み段階を紹介します。

まず発酵してもらう糊から制作。小麦の澱粉を水に溶かし、火にかけます。
この混ざりかけの澱粉を手に取るとドロッと流れていくのですが、ギュッと握ると粉を握ったように硬くなる現象が見られます。ダイラタンシー流体って言うみたいです。
テレビで大量の水溶き片栗粉の上ですばやく足踏みすると沈まない実験とかしてますね。
こんな現象が起きる素材のせいか、なかなか水に溶けてくれません。

完全に溶けてから火にかけます。

糊炊き

糊炊き2

15分程度で糊化し始めます。

ここから、弱火でもう少し透明になるまでよく混ぜます。
火が強すぎると焦げて使えなくなるので、注意が必要です。
混ぜるにも糊の粘りが強く、かなり疲れます。

出来上がった糊を甕に詰め、冷まします。

今回、3回に分け糊を炊き合計6kgの糊が出来ました。

糊炊き3

最後に水をはり、フタに封をして完成です。

糊炊き4

次に対面するのは一年後。きっと水面カビだらけになるはず。

それまでおやすみ。

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